研究所だより
2025年を振り返って
2025-12-17
2025年を振り返り、一番大きいと感じた出来事は、美山公園内「宙ユリ」植栽場所の引っ越しでした。(画像1枚目)
糸魚川市職員の皆様、糸魚川ライオンズクラブの皆様には、大変なご面倒をおかけしてしまいましたが、皆様のご協力により、この大きな植栽方針の変更が出来ました。
今後末永く、自生ササユリに遺伝的悪影響を与えない持続的な地元の市の花ササユリの展示スペースを維持出来る環境となったかと思います。心から御礼申し上げます。
きっかけは十数年前、当時の糸魚川ライオンズクラブの会長様より「美山公園内でいつでもササユリを見られるようにしたい」とのご相談を頂いた事からでした。
糸魚川市の「市の花」はササユリですが、当時は自生を目にする事が稀になっていました。とても良いご提案だと思い、協議の末、球根の提供をお受けしたのが始まりでした。
植栽にあたっては、当然現地の自生ササユリに遺伝的な悪影響が無いよう慎重に場所を選ばなければなりません。事前に現地を何度か確認しました。美山公園内には自生ササユリがあるにはありましたが数を減らしていました。歩道脇の適地にはオオキンケイギクが優占種となっており、除草作業でも花が咲くので意図的にオオキンケイギクだけ刈り残されているような状況でした(画像2枚目)。わずかに残された自生ササユリは林縁の雑草の中で辛うじて発見出来ましたが(画像3枚目)、回復は絶望的とみられました。
活動当初は(宙ユリではない)市内産ササユリ球根を植栽しました。病虫獣害にあいながらも毎年花が見られ、補植でなんとか維持しました。
次に「宙ユリ」の球根を植栽、展示するご提案を頂きました。「宙ユリ」は遺伝的には地元糸魚川のササユリですが、一度宇宙空間で放射線等を浴びています。特に変異もありませんでしたが念のため自生ササユリが植栽予定場所にない事を確認し、長者ヶ原考古館前に植栽しました。宙ユリはふつうのササユリよりも順調に育ち、見応えのある展示スペースとなっていました(画像4枚目)。
しかし、近年の温暖化により、今度は自生ササユリの個体数が急速に回復し始めました。それと並行して美山公園内ではオオキンケイギクの大規模かつ適切な駆除が行われるようになり、歩道脇でも自生ササユリが確認されるようになりました。とても喜ばしい事なのですが、「宙ユリ」展示エリア近隣でも多数の自生ササユリが見られるようになりました。
公園の機能を考えれば「より身近に、いつでも市の花を観察できるスペース」を設けておくのは非常に良い事ではあるのですが、出来る限り自生ササユリへの遺伝的な干渉がないよう配慮する必要が生じました。「これはかなり面倒な事をお願いしてしまう事になる。」と躊躇しましたが、思い切って「宙ユリ植栽場所の変更」を提案させて頂きました。
現在の植栽場所は美山公園内水道タンクそばの青年の森になっています。(画像5枚目)
このイベントは糸魚川タイムス( https://j-times.jp/archives/116519)や広報いといがわなどでも取り上げられました。



